レゴ(R)グループは石油由来のプラスチックの代わりに、ペットボトルなどの再生プラスチックからの本格的なブロック製造を目指すプロジェクトを中止。英紙「The Guardian」が報じる。
2030年までに置き換わる予定だった
レゴ(R)グループは「2030年までにレゴ(R)の全てのパーツをサステナブル(持続可能)な資源由来のプラスチックにする」という目標を2015年に発表。
参考記事
ペットボトルからレゴ(R)ブロックが作られる?レゴ(R)が廃棄ペットボトルなどから新しい再生レゴ(R)ブロックを発表。社内の品質と安全要件をクリアした初めてのリサイクルブロック。©LEGO Groupレゴ(R)グ[…]
2021年6月には、廃棄ペットボトルから作られたリサイクルレゴ(R)ブロックの試作品を公開。
しかしThe Guardiansによると、レゴ(R)グループのクリスチャンセンCEOはフィナンシャルタイムズ(FT)とのインタビューでプロジェクトを断念すると明かした。
なぜ中止になった?
現在のレゴ(R)ブロックパーツの原料のうち約80%を占めているABSの代わりに、再生プラスチックを通常製品の原料に置き換えようとするプロジェクトは、二酸化炭素排出量を削減する取り組みの一環として始まった。
しかし、レゴ(R)グループのサステナビリティを担当する環境部門の責任者ティム・ブルックス氏は「非石油ベースの素材は、耐久性を確保するためには追加の加工や成分、エネルギーが必要になり、結果的に二酸化炭素排出量の増加につながってしまう」と明かした。
クリスチャンセンCEOもFTとのインタビューで、とにかく多くの素材をテストしてきたが、持続可能性の問題を解決する『魔法の素材』を見つけることができなかったと答えた。
サステナビリティに関する今後の予定
現在、レゴ(R)ブロックでは植物パーツなどに非石油素材であるサトウキビ由来のバイオプラスチックが使用されているが、今後はABSパーツへのバイオ素材やリサイクル素材の組み込み、非石油素材の使用拡大を目指す方針。
実際にパーツが入っている袋の紙袋化やミニフィギュアのパッケージに紙箱を採用するなど、目に見える部分でもサステナブル素材の使用は進んでいる。
クリスチャンセンCEOは、2025年までにサステナビリティへの投資を3倍の30億ドル(約4450億円)に増やす予定だが、その分のコストを消費者に転嫁することはないと述べた。
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