となりのトトロはなぜレゴ(R)ブロックにならないのか──その背景を考察する

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レゴ(R)ブロックはいま、日本発のコンテンツに強い関心を寄せている。任天堂とのパートナーシップはスーパーマリオからゼルダの伝説まで広がり、ONE PIECEもNetflix版をきっかけに製品化された。日本のIPが次々とレゴ(R)ブロックのラインナップに加わるなか、自然と浮かんでくる疑問がある。では、スタジオジブリはどうなのか。

日本人なら誰もが知る存在であり、『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』といった作品は海外でも高い評価を得ている。特に『となりのトトロ』はレゴ(R)アイデアでも繰り返し投稿され、毎回大きな支持を集めてきたテーマだ。ファンの熱望は明らかでありながら、なぜいまだに製品化が実現していないのか。不思議に思ったことのある人も少なくないだろう。

となりのトトロとなりのトトロ:レゴ(R)アイデアレビュー進出作品

ジブリほどの知名度を考えれば、レゴ(R)グループがこれまで一度も交渉を試みていないとは考えにくい。それでも製品化が進んでこなかった背景には、いくつかの事情があるのかもしれない。

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高い壁となる事情

トトロをはじめとするジブリ作品のキャラクターは、長年にわたってぬいぐるみやフィギュアなどで商品化されてきた。ただ、その際も造形や雰囲気を壊さないことが重視され、ライセンス管理が非常に厳しいことで知られている。

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レゴ(R)ブロックはファンの自由な組み替えを前提とするため、公式のイメージと異なる姿が生まれやすい。そうした点が、ジブリ側にとってハードルになっている可能性がある。

さらに、日本のアニメ業界特有の「製作委員会方式」も背景にある。複数の企業が出資し、その権利を分け合うため、商品化には多方面との調整が必要になる。スター・ウォーズのようにディズニー一社、スーパーマリオのように任天堂一社と交渉すれば済むケースとは違い、話は単純ではない。

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ただし、ジブリの場合は昔の作品で委員会がすでに解散しているものもあり、スタジオジブリ自体が権利を一括して持つ作品もある。そうした事情を考えると、ライセンスの複雑さだけで説明できるものでもない。

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「そりゃスゴイ、お化け屋敷に住むのが父さんの夢だったんだ」と、こんなことを言うお父さんの娘が、小学六年生のサツキと四歳のメイ。このふたりが、大きな袋にどんぐりをいっぱいつめた、たぬきのようでフクロウのようで、クマのような、へんないきものに会います。ちょっと昔の森の中には、こんなへんないきものが、どうもいたらしいのです。でもよおく探せば、まだきっといる。見つからないのは、いないと思いこんでいるから。

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ビジネス的な面でも、ジブリはシリーズ展開との相性がよくない。レゴ(R)ブロックが長年重視してきたのは、スター・ウォーズやマーベルのように継続的に商品を展開できるIPだ。ジブリ作品はそれぞれが独立した単発映画であり、続編を前提としない。そのためシリーズ化可能なIPに比べれば優先度が下がると見られている。

かつて北米ではディズニーがジブリ作品を配給していた時期もあり、レゴ(R)グループにとって調整が難しかった可能性もある。現在は配給権がGKIDSに移っているが、当時は製品化をめぐるハードルの一つになっていたと考えられる。

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まだ残る可能性

それでも完全に望みが絶たれたわけではない。レゴ(R)アイデアの投稿禁止リストにはジブリ作品は含まれていない。『となりのトトロ』をはじめ、ジブリ作品は今も投稿可能であり、世界中のファンが支持を寄せている。過去には『ネバーエンディング・ストーリー』の作品がファン投票を突破したものの、その後エントリーから外され、最終的には作品投稿そのものが禁止となった例がある。

当時公開された、レゴ(R)アイデア公式ブログのレビュー進出作品一覧には「著作権者の要請により1件を削除した」との記載があり、この対象が『ネバーエンディング・ストーリー』であるのはほぼ確実だ。こうした前例を踏まえても、ジブリ作品が今なお禁止対象ではないことは、むしろ大きな意味を持つ。

ジブリがレゴ(R)ブロックにならないのは人気の不足ではない。製作委員会方式によるライセンスの複雑さ、シリーズ展開との相性、過去の配給事情──いくつもの要因が重なった結果だと考えられる。

ただ、最終的に最大の理由はやはりスタジオジブリ自身の強いこだわりにあるのではないだろうか。それでも、ジブリ作品がレゴ(R)ブロックとして登場する日が訪れても不思議ではない。ファンが待ち望むその瞬間は、今も残されている。

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