日本時間2025年6月11日午前0時、レゴ(R)グループの公式クラウドファンディング企画「ブリックリンク・デザイナー・プログラム:シリーズ5」(BDP5)が開始された。ブリックリンクは、同グループ傘下のパーツ取引およびデータベースサイトであり、本企画はそのプラットフォーム上で行われる公式プロジェクトとなる。
ブリックリンク・デザイナー・プログラムは、毎回5作品が選ばれ、約1カ月にわたって製品化に向けた注文を募る形式を採っている。過去のシリーズでは、各作品につき注文数の上限は3万個と明確に定められており、この数字をもって「数量限定」の性質が担保されていた。
※BDP5出品作品
しかし今回のシリーズ5では、開始直前になって「生産数が状況によっては引き上げられる可能性がある」との注意文がクラウドファンディング会場に掲出され、これまでとは異なる方針が示された。
加えて、開始後には実際に注文数上限が引き上げられている様子が確認され、事実上「上限撤廃」とも受け取れる変更が行われている。具体的な数量は明かされていないが、注目作品が販売開始から数時間で完売していた過去と比較すると、相当数が増加されたと見られる。
中でも人気を集めているのが、吸血鬼の城をテーマにした「ドラキュラ城の冒険」だ。同作品のコメント欄には、いわゆる「レゴ(R)ブロック投資家」を自称する人物が、数量上限の緩和措置に対し、強い不満を述べている。該当ユーザーのコメントは以下の通り。
(自動翻訳) このセットを複数購入して転売市場で売るために、ボットサービスに160ドルを支払った。こうすることで、セットの購入費用を回収できるし、他のレゴ(R)ブロックやブリックリンク製品を買うための小遣いにもなる。にもかかわらず、数量限定のはずだったこのセットの上限を事実上無制限に引き上げたレゴ(R)グループの対応は、不誠実だ。きっと多くのキャンセルが出るだろう。
ゲームのルールを直前になって変えるなんて不誠実にもほどがある。多くの投資家が、転売目的でこのセットを買うためにボットサービスに金を払い、ポイント目当てで新しいクレジットカードまで作ったというのに。レゴ(R)グループとブリックリンクは、このセットを大量生産することで転売市場を完全に潰してしまった。これではもはや投資対象にならない。今後のセットで投資家を惹きつけようとしても無理だろう。われわれ投資家は、レゴ(R)グループに前払いの資金を提供し、次の製品のために保管スペースを空けるという役割も果たしているのに。
内容を要約すれば、「数量限定だからこそ投資対象として成立すると見込んで複数購入の準備を進めたが、後出しで事実上の無制限化をされた結果、転売価値が崩壊した」との趣旨である。このユーザーはボット購入代行に160ドルを支払ったとも明かしており、事前にそれなりの準備をしていたことがうかがえる。
ただし、同コメントに対しては多くの利用者が批判的で、「そもそも転売が目的で購入すること自体に問題がある」「クラウドファンディングの趣旨を履き違えている」といった声が寄せられている。
レゴ(R)ブロックの転売は、現在ではそれほど利益を見込める分野とは言いがたい。レゴ(R)アイコンなどの人気セットでも在庫が安定しており、過去のように「買えたら勝ち」といった状況はほぼ見られなくなっている。
たとえばこちらのブティックホテル(10297)はまもなく廃番が予想されるが、非常に人気のあるレゴ(R)アイコンの建物セットとして現在も入手可能だ。
また、最近はあまり長期品薄になることはなかったが、6月30日までレゴ(R)ショップ公式ストア限定発売のレゴ(R)アイデア カプセルマシン(21358)は、人気のためかなりの品薄状態が続いている。
レゴ(R)LEGO(R) アイデア レゴ®ミニフィギュアカプセルマシン 21358
実際に回して遊べる
おしろシリーズからパラディサ、ファビュランドまで往年の名シリーズやテーマにちなんだミニフィギュアが勢ぞろい
さらに、8月1日発売予定で各ショップにて予約受付中の「レゴ(R)ONE PIECE」シリーズ全7製品のうち、特に人気の高い「ゴーイングメリー号(75639)」は、発売直後には一時的な品薄となる可能性がある。
レゴ(R)LEGO(R) ONE PIECE 海賊船 ゴーイングメリー号 75639
海賊王の夢をかなえよう
マスト、帆、船首像、舵が揃った大型船には、甲板の下に船室、厨房、食品と手配書の倉庫、装身具の工房などがあります
とはいえ、カプセルマシンやゴーイングメリー号にしても、かつてのように長期間にわたって入手困難なまま販売終了を迎えるケースはほとんど想定できない。現在では、話題性のある商品であっても即完売とは限らず、レゴ(R)ブロックを短期的な投資対象とするには適さない時代になっている。
大手通販サイトでも、レゴ(R)ブロックを専門に扱う業者は明らかに減少し、かつて一定の存在感を放っていた転売業者の姿もほとんど見られなくなった。今なお転売目的で購入する層は存在するものの、利益を得るには数年間の保管が必要で、それすらも確実ではないのが実情だ。
ただし、生産体制は経営戦略的に随時見直しが行われており、需要の集中や予期せぬ人気の高まりがあった場合には、一時的な供給不足や品薄状態に陥る可能性がまったくないとも言い切れない。
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